Malick Sidibé Painted Frames - 0fr. Tokyo

Size :  245 x 320 mm    

Softcover

80 pages

color, black and white

Published by LOOSE JOINTS

ルース・ジョインツは、故マリック・シディベによるあまり知られていない作品群《Painted Frames（彩られたフレーム）》を発表できることを光栄に思います。

“バマコの眼”として知られるシディベは、独立後のマリにおける人々の生活、スタイル、そしてエネルギーを、比類なき親密さで記録しました。バマコのダンスホールでの若者たちの歓喜から、スタジオで自信に満ちた姿を見せる被写体たちまで——彼の象徴的なモノクロ写真は、社会と文化が大きく変化する瞬間に、自らの姿を定義しようとする国家を捉えています。

《Painted Frames》はこの遺産を新たに再解釈し、シディベ晩年に彼自身と地元マリの職人たちとの協働によって制作された、鮮やかで手描きの彩色フレームと彼の代表的なポートレートを融合させた作品群です。これらのフレームは単なる装飾ではなく、記念品であり、地位の象徴として贈られ、流通し、大切にされ、共有される実用的なオブジェでした。彼の被写体たちの喜びや誇り、自己表現を映し出すものであり、シディベの写真が何よりもまず“社会的実践”であったことを思い出させてくれます。彼の写真は常にアフリカの人々、文化、アイデンティティのつながりを祝福するものでした。

この晩年のシリーズは、マリの文化的モダニティ（現代性）を称えるというシディベの一貫した姿勢を際立たせています。作品は、美術品として神格化されるものではなく、社会的伝達のためのダイナミックな媒体として捉えられています。彩色された縁取りと写真のポートレートを重ねることで、シディベは作品に新たな豊かさをもたらし、社会的な交流を称える手段としてその役割を拡張しました。同時にこのシリーズは、彼の多彩で広範な作品群の中から最も重要な作品を色彩と肯定の歓喜に満ちたかたちでまとめあげた、キュレーション的な試みでもあります。